船橋から聞きなれないブランドの海産物が登場した。
三番瀬ホンビノス貝と呼ばれる貝である。ホンビノス貝は北米大陸の東海岸に多く生息していることから、ボストンあたりのハーバー・レストランで食べさせられたクラムチャウダーはあらかたこのホンビノス貝が主役だったといわれる。
木更津を中心にした蛤、浅利の漁獲量減少から、近年アメリカ航路の船底についてやってきたホンビノス貝に注目が集まるようになった。昔から一部の人々によって「大浅利」と呼ばれ、結構重宝がられていたようだが、近年の国産品種の不況もあって、船橋漁協がブランド化に乗り出したのだ。
大浅利の俗称のごとく浅利そっくりの外形をもち、出汁の出方もなかなかのものだといわれる。
料理の幅も広く、ホンビノスの酒蒸し、ホンビノスのお吸い物、あるいはホンビノスの白ワイン蒸し、ホンビノスとジャガイモのバター蒸し、ホンビノスと香草のパスタ、ホンビノスと九条ネギの油ラーメン、イカとホンビノスのパエリア 等々たいていのレシピに合う。
そのうちホンビノスの深川丼などもわがもの顔で登場してくるのも時間の問題だろう。
カミツキ亀だのアマゾンの怪魚など、外来種の猖獗は大変に困ったことだが、ホンビノス貝のような安価で美味しい外来生物は大歓迎。
黒潮キッチンでは、1キロ15粒から30粒前後で、700円で売られている。フグだの、ウナギだの、ないものねだりは止めて、春はホンビノスのパーティーなど如何。
三番瀬ホンビノスを応援する。
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プロフィール
星野 和彦
Kazuhiko Hoshino
1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表
作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞
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