媚薬からサラダの友になるアスパラ

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媚薬からサラダの友になるアスパラ
 ヴェルサイユ宮殿が唯一栽培していた野菜が「アスパラ」とは驚いた。
ルイ14世がこよなく愛していた「アスパラ」を、常時6000本宮殿内に住む農夫達が栽培していたとつたえられている。
アスパラガスには、アスパラギン酸が豊富に含まれ、滋養強壮剤として栄養ドリンクにも含まれている。古代ギリシャでは媚薬として愛の女神アフロディーテに捧げられていた。4世紀に書かれたインドの聖典「カーマ・スートラ」には「マンネリのカップルには、アスパラガスのペーストを混ぜた牛乳をのめば、愛の活性剤になる。」とあり、いろいろな分野でアスパラの効用が論じられている。
 このところ野菜の値上がりがはげしい。鍋の業者がのきなみ苦労している。一部では20パーセントアップといい、とりあえず葉物野菜の量を減らして、根菜鍋にしてみようという、新宿の鍋居酒屋もある。アスパラは台所の優等生でもある。
 アスパラガスはメキシコやオーストラリアからの安定輸出のお蔭で価格は安定している。
 アスパラに見習い伸びろ わが旦那     よったんぼうや
 肉巻かれ かって細身の 妻のよう     鬼小町
 妻の角 アスパラガスも 畏れ入る     みじんこ
 アスパラは媚薬になり、サラダの友にもなる優良二重人格者なのだ。


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プロフィール

星野 和彦

Kazuhiko Hoshino

1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表

作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞


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