シロウトは黙っていろ

by

in

シロウトは黙っていろ
 透明性と説明責任、そしてすべてはガラス張り、いつからこんなことが大手をふって歩くようになったのだろう。説明責任を何回つくしても、左翼や民主にはわからない。来シーズンもモリカケ問題を追及するとはりきっている。いい加減にしてほしいとおもうが、議員先生方には、身近に迫った国防論議より、モリカケモリカケといっているほうが、楽なのかもしれない。
 2020東京五輪のマスコットもおなじことだ。6月まで全国の小学校児童による投票で決めるという。子供に媚びて、その後ろにいる母親に媚びて、無駄な時間と経費を使っている。どのキャャラクターが良いか、悪いかを美意識の育っていない子供に判断させ、なにを企んでいるのかわからない。こんなことは民主政治でもなんでもない。子供相手の暇つぶしでしかない。
 もしこれで子供たちにたいし、君たちが選んだ素晴らしいマスコットが誕生しましたなどと、宣言するのであれば、それこそ大人の欺瞞そのものではないか。子供たちには正常な判断力がないからこそ、選挙権もない。いわば未熟な半人間、それが子供たちなのだ。
 お互いの能力をきちんと認識しない風潮も困ったことだ。
 なんでもかんでも体験学習やら体験旅行と銘打つ。名人上手の仕事でもすぐに素人が手をだす。名人も断ることなくどうぞと手を貸す。「貴女には無理だからそこで黙って見ていなさい」、とはっきり言う名人がいない。みんなにこにこと素人に媚びをうる。素人は喜んで私にもできます、とぬか喜びとなる。全体のレベルはますますさがっても誰も責任はとらない。世の中の風潮だからと素人の体験旅行ははびこる一方だ。
 シロウトは黙っていろ、というプロがいなくなってしまった。
 「一を聴いて十を知る」ということわざがあった。今では「十聴いても一も判らない」という体たらくだ。選考過程をオープンにするのと、プロにまかせる度量というのは両立できる筈と思うが如何。


コメント

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です


プロフィール

星野 和彦

Kazuhiko Hoshino

1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表

作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞


カテゴリー


月別アーカイブ