相撲界が揺れている。日馬富士と貴ノ岩の喧嘩問題に引き続き、今度は立行司式守伊之助のセクハラ事件だ。ワイドショーは解った風な解説をくわえ、あっちが悪い、こっちが悪いとメディア裁判をしている。組織や社会での生活経験がないタレントたちや、付和雷同のテレビ御用評論家の愚かしい意見を聞かされて視聴者はうんざりしている。
いずれにしても酒を飲み、酔っぱらった上での揉め事にちがいない。
筆者の昔を振り返ってみても、酒の上でビール瓶でなぐったとか、かくれていた性癖が顔を出しキスされたとか、そんなに珍しいことではなかった。両者はその日のうちに和解したり、翌日手打ちをしてなにごとも無かったようにもとに戻っていた。
警察も酒のうえでの喧嘩はとりあげなかったし、同性愛の性癖が少し出たぐらいでは新聞にも登場しなかった。ここには質の良否を問わず、情報のすべてを商品化する今の時代のえげつなさ下らなさがある。新聞、週刊誌、とくに地上波テレビのおバカ加減には開いた口がふさがらない。
組織の基本ルールも知らない司会者が、警察に届けたのは正しい、理事会で黙っていたのは親方らしかったなどと、とんでもないことをいっている。
要は自浄能力、自律能力の減退にほかならない。当事者同士の話し合いができない。いちいち警察に頼る。 自分の能力のなさを曝け出すようなオロカシイ行為だということが、判らない。人間の能力が極限まで落ちている。まったく世の中がすべてマニアル頼みの他人依存になっているのだ。
核装備の他人依存は致し方ないとしても、サイバーによる自主防衛など、本気になって議論すべきだろう。
誰の物まねが上手いとか、どこのラーメンが旨いとか、そんな下らない事よりはるかに大きな問題が山積しているのだから、メディアはもう少し正気になって、番組編成を考えたらどうだろう。
自浄能力は何処へいった
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プロフィール
星野 和彦
Kazuhiko Hoshino
1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表
作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞
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