楽しい不倫まつり

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楽しい不倫まつり
 芸能界の不倫報道ほど、つまらないものはない、と思ってもゲスの興味はどうしてもそれに引かれる。
 ワイドショウのテーマとしても、天災、人災、火事、死亡、結婚、葬式、の間に入って「不倫」はかなり上位にランクされている。旅、グルメ、ファッションなどよりもはるかに重要なコンテンツなのだ。
 不倫は犯罪のごとくコメンテーターはもっともらしく喋るが、これだけ絶え間なく続くのだからもういい加減認知して報道しない、という選択肢もあるが、どうしても不倫を悪と決めつけて偽善者ぶるのが、視聴者に受けるとカン違いしているコメンテーターが圧倒的に多い。
 局の幹部も視聴率さえ取れればすべて良しと、不倫報道歓迎である。
 今年は川谷絵音のゲス不倫に始まり、あらゆる様式の不倫に恵まれた。
 今井絵里子の略奪不倫、渡辺謙の逃避不倫、仲間由紀恵の三年目不倫、松居一代のサスペンス不倫、宮迫博之のオフホワイト不倫、最後に斉藤由貴の手つなぎ不倫、にわか政治家の秘書不倫なども加わって、不倫の花盛りだ。不倫はテレビの視聴率とリンクしたマッチポンプになつている。お蔭で文春砲などという新たなメディアも登場して話題となった。
 …はやくこないかな しずかな不倫のとき
 …はやくこないかな 楽しい不倫暮らし
 ジャック・プレヴェールは、嫉妬のはての楽しいお葬式を期待したが、不倫については書かなかった。
ユーロビジョンにもフランスのテレビにも不倫の報道はない。大統領が毎夜エリゼー宮から抜け出して不倫に精出しても誰も何も言わない大人の国なのだ。
 モラリストっぽく喜んで報道するのは、アメリカと日本ぐらいだろう。オバカと判っているトランプ大統領がアメリカ・ファーストといえば、小池百合子が都民ファースト、ニッポン・ファーストと応じる程、この国の民度はアメリカ並みなのだ。


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プロフィール

星野 和彦

Kazuhiko Hoshino

1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表

作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞


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