オバカなプレミアム・フライデー

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オバカなプレミアム・フライデー
 車のラジオから、不思議なアナウンスが流れてきた。
 いよいよこの24日からプレミアム・フライデーが始まります。皆さんはお買い物、旅行の計画は立てられましたか。 何を言って居るんだろう。この糞寒い中で旅行なんてできるか。昨日は強風で羽田に着陸することが出来ず、関空まで連れていかれた飛行機まであるのに、まったくとぼけた放送だと思った。
 スタッフに聞いてみると、アメリカ辺りで商売促進でブラック・フライデーとやらが当たったので、その真似をしてデフレ傾向を止めるためのビジネス・休暇だという。つい先週あたりキリスト教に踊らされたチョコレート・バレンタインに次いで、毎月月末に実施する早退買物デーのことを、プレミアム・フライデーとなずけたらしい。
 デパチカに行けば、プレミアムばやりでポッキーにも、チョコにも、コーヒーにも、最近では下着や靴下にまで、プレミアムがついて高い値段で商売しているという現実をご存じないらしい。世情にうとい官僚と、オバカな代理店がよりより集まって名ずけたに違いないイベントであることはまず間違いない。
 この国の中世の大名たちはもうすこし賢かった。
 仙台の伊達政宗公は、七夕のまつりにかこつけて、七夕飾りをつくることを奨励した。7つ飾りを決め、それぞれに金銭を大事にすること、機織りにはげむこと、漁の網づくりのこと、学ぶことの大事さを教えて、領民の生き方を善導した。
 今時の政治家は、無駄使いと遊興を奨励して国民を堕落させようとしている。アメリカの植民地政策とかわらない。 トランプとゴルフをやって嬉しかったかもしれないが、国民まで巻き込まないで欲しい。日本人の国民性はもう少し良かったように思う。この阿呆さにはあきれる。なにごとにも商人の金勘定が優先する。
 国家経済の戦略は、大企業や外国を巻き込んで、もう少し大きな視点から立案すべきで、貧しい庶民のふところを宛てにするものではない。
 どうしてもフライデーをイベント化したいのなら、「スタディ・フライデー」とか、いっそのこと「アムール・フライデー」としたら、国民は幸せを享受できたかもしれない。


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プロフィール

星野 和彦

Kazuhiko Hoshino

1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表

作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞


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