嵐山吉兆のチョコレート・三段重

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嵐山吉兆のチョコレート・三段重
 今年もヴァレンタイン・デー…チョコレートの日がやってきた。
 81歳のキューピットからは、ピェール・マルコニーニが日本にきてつくったという、有り難いチョコをいただいた。チョコは恋人同士だけではなく、老人同志のメディアにもなっている。
 ままショコラ・ショーなどのみたいと思うが、軽井沢あたりでは無理難題にぞくする。ゴディバやアンリ・シャルバンティエに混じって、珍しいチョコレートをいただいた。
 京都「嵐山吉兆のCHOCOLATE 三段重」である。
 婦人画報の通販や二三のデパートで限定発売したようだが、珍しさも手伝ってあっという間に売り切れたようだ。
 吉兆の総料理長・徳岡邦夫さんと、三田市のパティシエ エス コヤマの小山 進さんの合作である。
小山さんは2011年のサロン・デュ・ショコラ・パリで最高位を獲り、世界的なショコラティエとして活躍している方なので期待して三段重を開いた。
 一段目は揚げ湯葉をモチーフにしたタブレット、精進料理のなかでもひときわ存在感のある湯葉の風味と豆のまろやかさをホワイトチヨコに混ぜ込んだミルキーなタブレット。
 二段目は道南産の眞昆布を糸状に刻んで素揚げにしたものを、そのままミルクチョコに混ぜこんだ歯切れの良さとチョコレートの口どけが面白い食感のコントラストを狙ったタブレット。
 三段目は小山シェフが吉兆でいただいた深揚げと浅上げの二種の揚げゴボウをホワイトチョコに混ぜ込んでつくった絶妙なバランスのタブレット。
 日本料理の繊細さとショコラティエのアイディアがコラボしたなかなかの三段重であった。
 ヴァレンタインに託したかずかずのチョコがあるが、パッケージだけのものから、作者の心意気に充ちたものまで、こうした商業祭に、基本的な食の文化にかかわるものが登場するのは、とても嬉しい。


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プロフィール

星野 和彦

Kazuhiko Hoshino

1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表

作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞


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