今年の漢字、新語・流行語大賞と共に、世相を映し出す指標として楽しいのが「サラリーマン川柳」だ。
2017年の100選が発表されたので、5月下旬の選考を待たずに私選してみた。
「たたき上げ 育てた女子が いま上司」 (そらみみ)
女子がますます立派になって働いているのは、東京都ばかりではない。
「会議する 準備のために また会議」 (詠人知らず)
働けど働けど、我が暮らし楽にならず、ブラックは自己責任です。
「賞与なの? 中身はいつも 寸志です」 (企画女子)
いつまで続く不況、そのうち儲けはみんなトランプに持って行かれそうです。
「席がない 会社も家も 電車でも」 (透明人間)
むかし、男の甲斐性という言葉があったような気がします。懐かしさがこみあげます。
「上司より 妻の決裁 高難度」 (ナカケン)
定年後、仕事もままならず 妻にも娘にも邪見にされて、やがて迎える夕暮れ時
「記憶力 ないから楽し 再放送」 (にほの里)
二度と戻らない青春を忘れて暮らすシアワセもあるという。
「ものわすれ ふせぐサプリを 飲み忘れ」 (望忘仙人)
かくして病気の話題こそが最大のトピックスとなる。
「病院で サミツトしている 爺7」 (アキちゃん)
江戸っ子には季語いらずの口語表現で、うがち、おかしみ、かるみ、の俳風狂句がよく似合う。
サラリーマン川柳を毒見する
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プロフィール
星野 和彦
Kazuhiko Hoshino
1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表
作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞
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