爆買いから肺洗旅行へ

by

in

爆買いから肺洗旅行へ
 春節とともに、中国人の観光客が猛烈に増えている。
 春節は中国に限らず、台湾も、韓国も、ベトナムも、シンガポールも、モンゴルも、インドネシアも、みな太陰暦の春節だから、いろいろの国の人々が来ているに違いないのだが、みな中国人ほど声が大きくないので、短絡的に中国の人と思ってしまう。
 中国の小、中、高、学校はみな一か月のお休みというので、家族みんなで大きなトランクを引きずってやってくる。ひところは爆買いにおどって、銀座のデパートも秋葉原の電機街もみなデューティフリー・ショップを作ったが、共産党政府の爆買い禁止の沙汰とともに閑古鳥がないている。
 今シーズンの春節海外旅行の最先端は「肺洗旅行」だそうだ。
 肺洗とはPM2.5のに汚染された内臓を洗いにいくというなんとも悲しい旅なのだが、いまのところ共産党政府も肺洗旅行の禁止までは言い出していない。
 肺尖旅行の日本の人気観光地といえば、まず北海道、そして信州だそうだ。白馬のスキー場やら野沢温泉にまじって軽井沢も入っている。凍りついた山道を貸自転車で走っている危険なグループは、ほとんど中国からやってきた肺洗目的のグループだ。町人は危険きわまりないので、冬の凍った道では自転車に乗らないのだが、すっかり不況にまみれている貸自転車屋はそんなことは言ってられない、とばかり乗りたい中国人にはドンドン貸し出している。自転車に限らず貸自動車も危険極まりない。交通法規を知らない中国人は、赤でもゆうゆうと交差点を走り抜ける。タクシーの運転手さんは、冷や冷やしながら走っている、とこぼしている。
 肺洗旅行のお土産第一位は、小林製薬の「清肺湯 ダスモック」、気管支の汚れをキレイにしながらしつこい咳、たん、気管支炎を改善、日本ではヘビースモーカー用で、PM2.5にきくとは書いていないのだが、すっかり中国ではスモッグの日の日常薬になっているらしい。お金持ちは10ダース、20ダースと買い込み、庶民も最低10箱は買うそうだ。マツモトキヨシも品切れ続出で、小林製薬も間に合わない、第二候補はツムラの「麦門冬湯」だという。
 貧乏旅行の若者はせめて「PM2.5対策マスク」のダース買いで我慢の肺洗旅行である。


コメント

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です


プロフィール

星野 和彦

Kazuhiko Hoshino

1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表

作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞


カテゴリー


月別アーカイブ