Jリーグの全競技を中継してきた衛星放送スカパーが、遂にというべきか、時代の流れに抗することが出来ず、独占放映権を失った。つまりスカパーを見る動機が消滅してしまったのだ。
社長は深くお詫びし、社員は10年もいっしよに苦労してきたのに、なんとつれないこととぼやいている。
Jリーグの放映権を奪った相手は、インターネットのスポーツ中継サービス「ダ・ゾーン」を展開するイギリスのパフォーム・グループ。ダ・ゾーンは、メジャーリーグを始め、F1 、ヨーロッパ・サッカーなど世界中の130をこえるスポーツ競技、年間6000試合の中継を僅か月額1750円で楽しめる画期的なネット放送なのだ。
いままでスカパーが、Jリーグに払ってきた年間放映料は約50億、それに対しダ・ゾーンは210億、経済規模においても全く歯が立たない。
ベガスのスポーツ・カジノでも、ロンドンのブック・メーカーでも、バルセロナのスポーツ・バーでも、そのほとんどがダ・ゾーンのスポーツ・ネットを利用している。
スカパーはSKY PERFEC TV という名前であるにもかかわらず、テレビの終わりが近ずいていることに気がつかなかった。田舎のサッカーチームとユルキャラなど動員して、イベントに浮かれていた足元が、ガラガラと崩れ出して初めて危機を認識したのだろう。
テレビよ、さようなら、いつでもどこでも見られるネットテレビの威力に気がつかなかったのだ。
スカパーに限らず、高い聴取料をとって運営している衛生放送やらBSやら沢山あるが、いずれも倒産解散の時は目の前にきている。
いっこくも早く、電波を畳んで次に備えることこそが、事業者の責任であろう。
ネット中継に刺されたスカパーの末路
コメント
プロフィール
星野 和彦
Kazuhiko Hoshino
1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表
作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞
コメントを残す