マネーファーストのトランプはいつまで?

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 この国はアメリカの植民地かと思わせられたトランプ大統領就任のテレビ報道だった。
 トランプの一挙手一投足に密着し、会場に向かう夫妻の足取りから、装甲車並みの大統領専用自動車の解説、そして就任演説のすべてを報道する。一見公平を期した報道のように見せながら、実態はトランプの英雄化に手を貸したメディアの垂れ流し報道だった。
 ヒットラーに金を持たせたようなこのどうしようもない大統領を選んだのはアメリカ国民なのだから、批判するとすればアメリカ人を批判しなければならない。アメリカ人は多民族国家という自らのアイデンティテイを棄て、白人優先主義というアフリカのどこかの国のような選択をした。
 このヒロイズム100パーセントの白人大統領は、力の信奉者であるとともに拝金主義主義のかたまり、つまりウォール街の使いなのだ。金になりさえすれば、何でもありの不動産王、下品極まりない人間だと言える。
 この大統領がこれからの4年、うっかりすると8年、世界中を引っ掻き回すかと思うと暗澹たる思いになる。
太平洋沿岸国家が何年も苦労に苦労を重ねて、やうやく体裁を整えたTPP協定はあっさり反古にされ、NAFTAも白紙に戻すと表明、さらにオバマ前大統領が苦労して作った、国民医療制度オバマケアも見直すと就任初日にサインした。さらに軍事費の上限を撤廃し、今日からアメリカは世界最強の国家を取り戻すと宣言した。
 こうしたトランプの支持者層は白人貧民層が大部分で、大統領就任の式典には見事に白人ばかりが集まり、黒人も有色人種もまったく参加していない異常な風景だったと伝えられる。有色人種蔑視に加え、女性蔑視の発言も度重なっているので、アメリカ・ファーストは白人のエスタブリッシュメントからも反発をうけている。
 かのケネディも暗殺された国に於いて、いつトランプ暗殺という訃報が起こるともかぎらない。世界は固唾をのんで、この始末のわるい大統領の行方を案じている。


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プロフィール

星野 和彦

Kazuhiko Hoshino

1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表

作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞


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