デパートよさようなら、今日は通販

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 「パリジェンヌは10着の服しかもたない」そんなタイトルの本がでたのは、2.3年前のことだった。
一部の人たちには支持されたが、すぐ忘れられたかと思っていた。いま、この国の若者たちは服もなにも、とにかく買い物をしなくなったといわれている。
 ブランドもののバックを手に流行の服を身に着けて、キャンパスをチャラチャラしている女子大生は全く姿を消したと言われている。今キャンパスを闊歩しているのは、スニーカーにデイバックを背負った学生、ぼろジィーンズで自転車を乗り回している化粧気なしの女子学生たちだそうだ。
 彼女たちはユニクロすらも買おうとしない。去年一昨年に買い求めたヒートテックや、フリースで充分間に合う、だって破れないんだもん、衣類の機能が向上した結果、ますます買い物をしなくなった。生活に対する考え方が堅実になり、地に足がついてきた。だからユニクロすら高い、GUもいらない。強いていえばマムラー、ご愛用はシマムラなのだ。
 学生たちがキャンパスに通うための駐車場も、いまでは閑古鳥がないている。車はコスパが悪いのでいらない。バスと電車で充分だという。ファッション・トレンドがどうのこうのといっている学生は、キャンパスでは浮いている、浮きまくっている。
 中国からきた爆買い族のためにわざわざ作ったデューティ・フリー・ショップも、あっという間の閑古鳥。
デパートも専門店も、次の商品の宛てもなく、ただ過ぎ去った夢を追いかけて呆然としている。時代は通販の時代に移り、店は通販カタログのショーウインドウになってしまった。
 デパートよさようなら、こんにちは通販、なのだ。


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プロフィール

星野 和彦

Kazuhiko Hoshino

1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表

作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞


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