フルタチさん 喋らないでください

by

in

フルタチさん 喋らないでください
 フジテレビ、日曜夜の「フルタチさん」の評判が恐ろしく悪い。
 どんどん視聴率も落ちて、韓国朴槿恵大統領と肩を並べんばかりの状態になっている。なによりいちばんの犯人は、MC をつとめる古館伊知郎にあるのだが、本人にまったくその自覚がなく、僕には得意の喋りがあると、
思い込んでいるので始末に悪い。
 いま一番、話し方の参考にしているのが、東京都知事の小池百合子さん、話しの間の置き方や笑顔のタイミングが巧いですよね。と古館は言っているが、話しをうわべのテクニックだけで捉えている彼の欠点があからさまになって、語るに落ちた発言である。
 哲学がなく内容のうすい喋りにうんざりしている視聴者の心が全くよめていない。
 12年間も報道ステーションの司会を務めながら、彼を誰一人としてニュースの権威だとか、報道の第一人者と思わない。ただのシャベクリ・マシーンとしてしか受け止めていないのだ。
 左翼文化人の真似をして安保反対を主張したところで、口先だけのテレビ芸人としか思われていないので、ふみこんだ意見らしきことを発言すればするほどうっとうしく感じてしまう。
 古館伊知郎最大の敵は彼の信じるマシンガン・トークなのだ。
 古館伊知郎最大の敵は彼のうちなる心に住み着いている半端な優越感である。
 プロレス中継やF1グランプリでは通用しても、普通のおしゃべりでは通用しない自分の軽さ、浅さ、頭の悪さに一刻も早く気がツクことだ。
「むずかしいことをやさしく、やさしいことをふかく、ふかいことをおもしろく」しゃべるのは、それなりの教養と人間性が伴わなければならない。
 わけしり顔のフルタチ訓など、ただちにチャンネルを変えたくなる。
 古館伊知郎はいま、新しい話術にトライするのではなく、人間の深さにトライすることが最重要課題だ。
 フルタチとフジテレビの湾岸心中などまったく見たくない。


コメント

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です


プロフィール

星野 和彦

Kazuhiko Hoshino

1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表

作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞


カテゴリー


月別アーカイブ