今年も新語・流行語大賞の季節がやって来た。
流行語のなかに中途半端な新製品の名前やら、タレントの名前が入ってくるのは、関心しない。
筆者のグランプリはなんといっても「びっくりポン」。NHKの連続テレビ小説「あさが来た」からというところはあまり好きではないが、波留ちゃんの異常に大きな目玉に初々しい表情、それに「びっくりポン」がつくと、とびきりの魅力になった。思わぬ出来事、思わぬ馳走にあずかると、びっくりポンと反射してしまう自分がいる。
広島カープの鈴木誠也選手の活躍から「神ってる」現象はもうすこし伸びるかとおもったが、なんとなく尻つぼみになってしまった。「僕のアモーレ」もインテル長友と平愛梨の恋ほどには、庶民の愛には育たなかった。
「ゲス不倫」の副産物「センテンス・スプリング」も文春の奮闘ぶりを伝えるキャッチ・コピーと堕落して、文春販促用語である。
「君の名は」「シンゴジラ」「AI家電」「ポケモンGO」など、商品名が取り上げられることもあるが、流行語ではないし、新商品名に過ぎない。審査員の文化度が計られる。
現象として注目されたものは、なんといっても「EU離脱」「SMAP解散」が話題となった。SMAP…40過ぎのトッチャン坊やの内輪もめなど全く関心がないが、「EU離脱」はグローバル政策の副産物として考えなければならない要素を孕んでいる。難民を助けなければというヒューマニズムでは解決できない現実がある。つけこんでばれたのが「パナマ文書」だった。
「トランプ現象」もフランス・ルペン党首も、フィリッピンのドウテルテ大統領も皆同根、「都民ファースト」にも通じる内向きな保守思想なのだ。習近平の領土拡張主義も「チャイナ・ファースト」、千年中国に流れてきた中華思想のあたりまえと言える。
ことしの流行語を考える
コメント
プロフィール
星野 和彦
Kazuhiko Hoshino
1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表
作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞
コメントを残す