女子たちのワンディ・レジャー/スーパー銭湯

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女子たちのワンディ・レジャー/スーパー銭湯
 マダム達の関心は、貧乏旅館よりスーパー銭湯に向けられている。
 一万円以下のコスパに優れた旅館に比べたら、1000円から2000円で一日楽しめるスーパー銭湯に優るものはない。スーパー銭湯がない軽井沢などは、所詮近隣のサービスの悪い日帰り温泉で我慢するしかない。
 スーパー銭湯は、どこでも掘りさえすれば温泉のでる、地震国日本にして初めて可能なビジネスでもある。
いままでの温泉地のように、地域全体の温泉村ではなく、都会の真ん中でも、郊外の畑の中でも、自由に展開可能な入浴レジャー施設である。
 スーパー銭湯第一の目玉はなんといっても総合浴場。それぞれの温泉の薬学的特徴はもちろんのこと、大浴場からシルク湯、ぬる湯、座り湯、寐湯、寝転び湯、露天風呂、檜湯、足湯、壺湯、と一通りの入浴形式が揃い、かつ高濃度炭酸温泉、炭酸琥珀湯、トルマリン風呂、あるいは天然の翡翠をひいた露天風呂などと経営者の工夫のあとが涙ぐましい。なかにはパリ式男女水着ではいる混浴泉などもあり、景色を奏でながらの岩盤浴もマダム達の人気、どこでも三種類以上の岩盤浴がある。
 これだけでもすでに温泉場の風呂を軽く抜き去っているが、さらにエステ、サウナ、ジムの充実ぶりも凄い。
ひととおりのマッサージあり、韓式あかすり、ボディケア、タイ式ヒーリング、アモイ式オイルセラピー、インド式ヘッドセラピー、東洋整体、ネール・ケアにヘア・サロンと、女性の美しくなりたい願望に答えている。
 そのうえ、風呂のあとは食欲とばかり、スーパー銭湯の食はバラェティに富んでいる。どこでもビュフェ・スタイルは標準となっているが、専用の和食レストラン、そば処、オーダー・レストラン、アジアン・ビュフェ、パリ風カフェ、おなかを充たした後はおしゃべり用の談話室、休憩室、そして「ジュンレツ」もくる舞台付き大広間、これだけの施設とサーピスで展開するスーパー銭湯、まもなく外人インバウンドの目玉となって、女子会やマダム達と争奪戦をくりひろげるのは必定である。
 ちなみに東京近郊のスーパー銭湯を挙げておく。
 ① お屋敷銭湯 さやの湯どころ (板橋・志村坂上)
 ② 湯けむりの庄 (川崎・宮前)
 ③ ヒーリングビラ印西
 ④ 杉戸天然温泉 雅楽(うた)の湯
 ⑤ お台場・大江戸温泉物語
 ⑥ 浅草・ROXまつり湯
 ⑦ 染井温泉SAKURA


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プロフィール

星野 和彦

Kazuhiko Hoshino

1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表

作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞


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