2月22日が「おでんの日」とは知らなかった。
フーフーと息を吹きかけて食べるから、おでんの日というのも随分いい加減な決め方とも思うが、所詮おでんのこと、その程度でいいのかもしれない。
あでんは冬の食卓に欠かせないレパートリーだ。寒さを忘れさせてくれるし、鍋を囲んでも一律ではなく、具材の選び方にそれぞれの好みが反映されて楽しい。
若い頃は銀座のお多幸へよく通った。なんとも関東炊きの辛いおでんだったが、銀座で手軽に昼飯というとお多幸はたびたび候補に挙がった。
長じて祇園のおでんを覚えた。総理大臣から歌舞伎役者まで通う祇園の名店なのだが、カウンターのみのあまり広くない店では、少々顔が指す。「おいと」のおでんは、おでんに達するまでの料理がやたらに美味く、それだけでも一時間半はかかる。 酒の飲めない野暮天はお呼びではないのだ。それでもまま「おいと」のおでんにひかれて四条切通しに足が向く。おでんの中のおでん、それが「おいと」のおでんなのだ。
近頃はスーパーのおでんが評判をとっている。セブンが美味しい、いやローソンのスープがいけてると、かしましいが、たまにおでんを買って我が家に帰るとがっかりする。
サイズが違う。人気一番の大根がなぜこんなに小さい。大根こそたっぷりと大きく厚くなければ大根ではない。コンビニは栄養不良の細い大根を何処かで飼っているのだろうか。卵は正常な大きさなのに何故大根が小さいのかわからない。
味は悪くないが、こんにゃくもさつま揚げも何故か小振りだ。庶民の味方として評判のいいおでんなのだから、もう少し頑張って正常なサイズの「大根」にまみえたい。
サイズが違う
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プロフィール
星野 和彦
Kazuhiko Hoshino
1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表
作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞
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