祝日「山の日」が決まった。
政治家達は8月12日にしたかったのだが、野田総務会長の日航機事故の日と同じとは如何なものか、という発言で、8月11日という日に決まった。これでやうやく海の日とみどりの日と相まって山の日が出揃った。「山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する」それが山の日のテーマだというが、果たしてそれでいいのだろうか。
古来この国で、山は信仰の対象だった。山岳信仰という言葉があるくらいだ。
それ故、神の宿る山には潔斎した男性のみが登ることを許された。出羽三山、高野山、みなそうした山だった。長野にも木曽御嶽山がある。全山信者の墓が何万とあり、死んで神に帰依する山岳信仰のかたちが今に残っている。富士山の世界遺産登録でわいているが、江戸期からの富士信仰に支えられてきたお山の歴史と現実を無視して、自然と観光に関心が向いている。
この山の日の制定を契機に、日本の山の持っている宗教性、信仰の山のかたちにすこし関心を持つようにしたら如何。なんでもかんでもレジャーや観光にその意義を見出す報道メディアの姿勢を正すべきだろう。
信仰の山に視点をあわせてこそ、日本独自の観光にもなるし、登山を単純なスポーツから、精神性の高い登山に変換できる。
にほんの山は信仰の山だった
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プロフィール
星野 和彦
Kazuhiko Hoshino
1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表
作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞
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