マー君は成り上がったか

　ハンカチ王子のだらしなさに較べ、マー君の努力はずつと応援してきた。
　ヤンキース入りが決まって、いよいよ世界の舞台に登場というので、ますますマー君は輝くと信じてきた。がニューヨーク入りの第一報を聞いてがっかりした。ジャンボジェットをチャーターしてニューヨーク入りしたという。これではIT企業の成り上がりと全く同じだ。ビリゲイツやビヨンセ並みの神経になったのかもしれないが、空の旅はファースト・クラスもチャーターも変わらない。アメリカの富豪には自分仕様のジェットをもつ人間もいるが、ほとんどは不労所得者で、金を使わなければならない宿命の人が多い。
　スポーツ選手は身体が元でなので、いつダメになるか判らない。あぶく銭が入って嬉しくなるのは結構だが、何十億を手にしてプロスポーツに入った選手のあらかたは貧乏人に堕している。
　さらに驚いたのは五番街にあるトランプタワーに住みたい、ということ。トランプタワーはアラブの石油王のラブプレイスとして有名で、まともなスポーツマンの入る環境ではない。かってオナシスがジャクリーン・ケネディ未亡人との密会用に使ったり、ニューヨークど真ん中のラブホと言われている成り上がりマンションなのだ。里田まいのお買いものには便利かもしれないが、スポーツマンに相応しい球場に近い高級マンションはいくらでもある。
　折角の期待を背負ってヤンキース入りを果たしたのだから、ボストンの松阪のごとき体たらくにならないことを祈っている。