いよいよ北陸新幹線が金澤まで行くことになった。
長野でも軽井沢でも、その対策に懸命になっている。長野では駅の化粧替えに忙しい。つい数年前の長野オリンピツクの折に新しく作られた長野駅が、使い物にならず金澤の声に怯えているのはナンセンスだ。通過駅になっては大変だということらしいが、そんなことは前からわかっている。
善光寺、川中島、戸隠、そば屋ぐらいしか思い浮かばない長野、軽井沢にいたってはショー記念堂、三笠ホテル、アウトレット、タリアセン位がせいぜいだ。
金澤の幅と奥のある観光資産にはとてもかなわない。金澤城がある。武家屋敷がある。にし、ひがし、主計町の花街がある。兼六園がある。金箔の街があり、加賀友禅があり、九谷焼がある。料理も加賀懐石から郷土料理まで揃っているし、近江町市場があり、菓子も京都に匹敵する。文学好きには泉鏡花、室生犀星、美術は21世紀美術館、仏女には卯辰山麓寺院群がある。都市としての集積量が桁違いなのだ。
軽井沢は己惚れることなく、村落都市としての充実を図っていかなければ太刀打できない。自然による観光に眼をつけ、グリーン・ルネッサンスによる都市再構築が必要なのだ。
街路樹ひとつ、差別化したイメージを作れないようでは、アウトレットの終焉を待つしかないだろう。
いまこそグリーン・ルネッサンスを
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プロフィール
星野 和彦
Kazuhiko Hoshino
1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表
作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞
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