法制審議会で民法の改正要綱案が通ったそうだ。
いままで認められてきた親の子供にたいする懲戒権がなくなり、体罰禁止と𠮟りつけ言動の禁止が盛り込まれた。
これでますます渋谷の中央通りや新宿歌舞伎町に躾けの行き届かないヤンチャとガキがふえることだろう。
近頃のドラマなどみていると、例外なく親を親とも思わない娘や、社会常識を逸脱した若者が登場する。
シツケ不在の若者が標準的な設定としてドラマに登場することに違和感を感じる。常識が大きくゆがんできているのだ。
私はいままで叱られたことはありません、と広言する茶髪タレントが登場するが、なんのことはない親が親の責任を果たしてこなかっただけのことで、両親共働きでそこまで眼が届かなかったという場合が多い。
子供にたいして躾ける言葉をもっていない、子供の好きなようにのびのびと育てています、と発言する親には子供の将来像に対する想像力が欠けている場合が多い。
子供の望むように育てたから、ニューヨークでプータローのような旦那を抱えて苦労する娘になったのだ。
子供の望むように育てたから、愛妻が癌になっても祈祷師のところに駆け込むような役者に育ったのだ。
幼い子供にはカワイイ、カワイイを呈することではなく、厳しい言葉や体罰が最大のプレゼントになることもある。
子供は人間よりもまだ猿に近いのだから、身体を躾けなければ人間にならない。法律の問題ではなく、知的民度の問題なのではないか。
家族の愛についてあまりにも無責任な社会になっているような気がする。
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プロフィール
星野 和彦
Kazuhiko Hoshino
1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表
作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞
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