麻薬殺戮を認めますか。アナタは

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麻薬殺戮を認めますか。アナタは
 フィリッピン第16代大統領ロドリゴ・ドウテルテが注目の的になっている。
 就任以来、二ヶ月で1100人の麻薬犯罪人を殺した。警察と民間処刑団も動員して超法規的に行った。この強権発動に対し、麻薬中毒は殺されてはたまらないとばかり、68万人以上の人間は名乗り出た。繁華街に銃殺された死体がころがり、空き地には切断死体が遺棄されているというからすごい。
 これに対し、アムネス・インターナショナルや、国連人権高等弁務官事務所、あるいは国連事務総長らが警告を発しているが、ドゥテルテ大統領はまったく意に介さない。
 「オバマはじめ、国連のクソッタレ共の言い分は関係ない。俺はフィリッピンの大統領だ。余計なことを言うな。」
 事実大統領の強権政治は、八割の国民から支持されている。大多数の国民が、麻薬ずけの国内をクリーンアップしなければならない、と考えているからだろう。
 法治主義はクソの役にも立たない、現にフィリッピンの領土であった南沙諸島は中国に侵略されてしまった。
 国際機関に訴え、裁判に勝ってもなにもかわらない。そんなもの紙切れだと相手は嘯いている。
 武力だけが最高の国家権力だし、強力な武力をもたなければ国家は崩壊するという、現実をみせつけられた。
 シリアに於けるISとアメリカとロシアと政府の争いにしても、法治システムは100パーセント崩壊し難民だけを生み出し、ヨーロッパ全体を危機に貶めている。
 そんなもの聞けるか、というのが、大統領の言い分である。ルールを弄ぶのではなく、現実を解決することこそが政治だ、というのがドウテルテ大統領の主張だ。
 テレビでは無法の犯罪番組「必殺仕事人」とやらを盛大に宣伝しているが、「必殺仕事人」を喜んでいる視聴者に、どれだけ無法フィリッピンに対する理解者がいるのか、いささかの興味がある。
 麻薬撲滅はインテリ共のうわべだけの認識にたいして、ドウテルテが突き付けたヤイバなのだろう。


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プロフィール

星野 和彦

Kazuhiko Hoshino

1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表

作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞


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