駅弁の軽井沢・京都

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 軽井沢に住んでいると、まま東京へ京都へと足を運ぶ機会が多い。東京へは長野新幹線で一時間ばかりなので、駅弁の世話になることはあまりない。たまに空腹をかかえて飛び乗るときには、駅のおぎのやの世話になる。昔から峠の釜飯が有名でデパチカの駅弁大会ではつねに人気ベストに顔をだしている。戦後まもなくからある益子焼の釜を愛する人が結構いて、夏の別荘の片隅にはきまって再利用されて釜飯の釜があったものだ。仕事で上京するときは釜飯の気分になれず、もっぱら玄米弁当にしている。玄米めしにひじきと沢庵のシンプルな献立が気にいっている。それに500円という値段も嬉しい。京都には特選弁当の売り場があり、辻留、和久伝、田毎、つる家などの超級の駅弁が楽しめる。こちらは5000円から1万5000円と値段も立派だ。和久傳の鯛めしかいづうの鯖ずしを求め、東海道の飛び行く風景とともにゆっくり楽しむと、日本人に生まれてよかったとしみじみ思う。日本の弁当は世界一で、ちいさな四角い箱のなかにこれだけ奥の深い味の文化がつまっているのは、奇跡に近いことではないかと思う。


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プロフィール

星野 和彦

Kazuhiko Hoshino

1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表

作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞


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