金でかえる健康ビジネス。

　テレビ、新聞、雑誌、折り込み、インターネットなどの広告を支配しているのは、金で買える健康が圧倒的に多い。パソコンを開けた時、いちばん先に眼に飛び込んできたのは、「糖尿病克服30日間スタート無料パツク」「いまならキャツシュ・バック」「震災チャリティ・一週間分無料サンプル進呈」等々あの手この手の販売促進キャンペーンがぞろぞろとでてくる。
　「ヒアルロンサン」「グルコサミン」「コンドロイチン」この三人衆がとくに目立って多い。加齢にともなうお肌のしみやしわになやんでいるお母さんに。階段の上り下りに苦労している関節炎のお婆ちゃんに。「世田谷生まれのグルコサミン、世田谷生まれのグルコサミン」と呪文のように歌いながら、膝の関節を動かす体操とも踊りともつかないものを繰り返す。盛りを過ぎた女優を先頭に素人を交えてしつこく繰り返す。素人はグルコサミンは関節に効く特効薬と思い込む。冷静に考えれば、世田谷とグルコサミンはなんの関係もないことだし、ましてやあの女優はギャラを貰ってやっているロボットなのだと気がつくはずだが、人間という動物はどうも単純らしい。
　いつまでも元気で若々しくありたい方にお勧めします。効くという言葉はどこにもない。消費者が勝手に効くと思い込むのはご自由です。といった微妙かつ詐欺まがいの商法は、テレビＣМにおいてますます巧妙になる。業者は厚生労働省がうるさいので、効果はうたえませんといい、厚生労働省はあれはただの食品ですと言い逃れる。
　福島浜通りの原発放射能について、ある人は安全といい、またある人は危険という言い逃れごっこのうちにどんどん時はすぎていく。