認知症にきくジョギング。

　長寿社会となり、健康に利くあれやこれやに人気が集まっている。
　パリ・ブーローニュの森、ヴァンセンヌの森、モンソー公園…みな暗いうちから走っている。少年と伯父さん、メタボの伯母さん、なかにはヴォーグから抜け出したようなパリジェンヌもお洒落なレギンスで走っている。右から走ってくる。左からも走ってくる。フランス人らしくマイペースで、東京の皇居一周ジョギングなどとはだいぶ景色が違う。
　軽いジョギングはメタボ予防にとどまらず、最近では認知症予防にも役立つと云われている。アメリカ・ニューロイメージ誌に昨年発表された、わずか10分のジョギングで脳の認知機能が著しく改善されるという、筑波大征矢教授の実証論文がきっかけになっている。
　東京マラソンを頂点として日本中を覆い尽くしているビジネス・マラソンに対し、長寿社会へのアプローチとして金のかからないジョギングが注目されるのはいいことだが、たぶん日本ではアッという間によつてたかって商売の種にしてしまうだろう。
　すでにAUでは全国推奨コースのプロモーションやら、只今ナンニン走ってますというリアル情報をのせている。ゆっくりとしたスピードで楽しみながら走ればいいと思うのだが、ハゲが直ってふさふさをめざすジョギングだとか、アルツハイマー恐怖からの脱出ジョギングとなると重くなる。有酸素運動ジョギング、軽いメタボジョギング、紅葉狩ジョギング、春は花見ジョギングと頑張りすぎないのがいいとトレーナーはいっている。
　景色がきれい・信号がすくない・初心者おすすめ・森のオゾンいつぱいの軽井沢ジョギング・コースなど設定すれば、かなりの参加者が集まるだろう。