話題のおむすびケーキ??

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 今話題の「おむすびケーキ」
 話題の大好きな日本国民にとって絶好の餌食である。
 なにしろ大阪駅にも、羽田空港にも、あのGINZA SIXにもあるというのだから、これは食べなければならない。
 というわけで、今話題の「おむすびケーキ」に対面した。
おむすびケーキ.jpg
 なるほどそこいら中のコンビニにあるあのおむすびにそっくりである。
 筆者の最も愛する「明太子むすび」にそっくりというのが気にかかる。
 このケーキが販売されたとき、ちょっと待て!この形式はあまりにも我々おむすび組合の商品にそっくりだから、著作権を犯しているとか、商標登録を認めないとか、そうした抗議活動はなかったのだろうか。
 もっとも被告側は、おむすびの三角や、丸型には著作権は存在しない。といって拒否したのかもしれない。それでも包み紙の開け方まで「明太子むすび」にそっくりとはどういうことか。
 そこにはスイーツとしてのこだわりもプライドも全く存在しない。話題になりさえすれば、それが一番といった、なりふり構わない現代っ子電通精神があらわになっている。
自動販売機.jpg
 一応おにぎりと同じ作法で包装を破き、なかみと対面した。
 ブラックココアのクレープを海苔に見立ててあるのがまずいけない。海苔の風味もなければパリ感もない、気持ちの悪い海苔状のものに包まれている、といった第一印象。そして苺、チーズ、ショコラ、ティラミス、抹茶など定番のフレーバーをクリームに加えスポンジでサンドした三角結び状のケーキであった。味は論じるまでもない。軽井沢白樺堂で充分間に合う。
ケーキヤ.jpg
 パンフレットにはスイーツ・プロデューサーと称する犯人の写真がどうどうと乗っている。菓子修行数年にして転職、マーケティング、広告事業を起業とある。ああなるほど、それでこの菓子ね、と納得した。話題沸騰とか、ブランド開発とか、当世宣伝事情が大好きなパティシエなんだ。
 スイーツを愛してないから、こういうスイーツが出来るできる、といった原風景がみえてきた。
 
 


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プロフィール

星野 和彦

Kazuhiko Hoshino

1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表

作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞


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