角川ドワンゴの絶望的戦略

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 学校法人角川ドワンゴ学園N高等学校 なる新設校がメディアで大宣伝をしている。
 ”カドカワは新しい時代にあったネットの学校を創ります。”というのが、キャッチコピーだが、ネットの学校とは、という説明を読むに至り、大いなる疑問が湧いてきた。
 高校でのすべての授業も、レポート提出もネットで行います。ネットなので時間は問いません。
自分のペースで好きな時に授業を受けられます。……とあるが、いまゲーム、スマホ世代のコミュニケーション能力の欠落は、非常に大きな問題になっている。
 知らない人に向って挨拶ができない。議論ができない。会議に参加すると、マイパソコンを開いてパソコン画面を凝視している。発想して発言して議論するという工程が欠落しているのだ。パソコン上のデータだけを追っかけていて、相手の顔を見ながらの発言ができない。
 つまりゲームスマホ世代において正常な人間を育てることは絶望的に難しいとさえいわれている。
 その上、N高等学校では、プログラミング、ファッション、美容なども学べます、とあるが、美容やファッションなどの実用教育は、基本となる人間性教育にはまったく役にたたない。歴史、風土、文学、倫理、道徳などの基本を徹底的に教育することこそが、人間形成にとって重要なことは論をまたない。
 謎のN高校が超オモシロイ!(スタジオジブリ鈴木敏夫)自分の得意なモノは何かを知っている若者が求められる(慶應メディア研究科教授夏野剛)自分なりのスタイルを問われる時代が来る(棋士羽生善治)ついに誕生、教育が変わる。(ビジネスブレイクスルー大学教授原田隆史)
 宣伝に加担している著名人の発言も無責任きわまりない。極言すれば、メディア芸者の戯言だと断言できる。角川がドワンゴに合併したときの、いやな予感がこのN高校設立でますます現実のものになってきた。


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プロフィール

星野 和彦

Kazuhiko Hoshino

1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表

作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞


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