世界で一番英語が上手いのは、イギリス人に決まっている。がこの100年常に経済はいきずまり、国力は低下している。英語の本家はイギリス病にかかっている。
ヨーロッパでもっとも安定して、科学技術を開発し、経済力を蓄えているのはドイツだ。ドイツ人はドイツ語で考え、ドイツ語で暮らしている。
かのフランスでさえ、英語では絶対に考えない。フランス語に誇りを持ち、フランス語で人生を語り、フランス語で芸術を創りだしている。
つまり英語ができれば、グローバルな人材が育って世界に通用するというのは、錯覚であり、妄言であり詐欺なのだ。日常会話ができても重要な国際会議や経済契約は、専門の通訳の手を借りなければ不可能だ。
社内用語を英語にした楽天がいい例だ。今日の会議は重要なので、日本語でやります。まるでマンガではないか、それなら初めから日本語で話あっていたほうが遥かにレベルアップにつながる。
文科省では、小学校の三年から英語を教え、五年から単一教科にあげることになった。その分人間形成に必要な教科がはぶかれ、無国籍なプータローが育つ。財界と官僚による愚民政策が実施されようとしている。アラモアナ・ショッピング・センターで買い物ができるようになっても、グローバルな人材が育ったとはいえない。学校英語のレベルとはそんなものだ。
ましてやそこいらのインターナショナル・スクールからは、絶対にノーベル賞候補は生まれない。日本語で学び、日本語で思考したからこそ、戦後日本のめざましい伸展はあったのだ。何でしゃべるかではなく、何を語るかに人間の価値はある。
早すぎる英語教育は愚民政策にほかならない。
英語は人間を育てない
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プロフィール
星野 和彦
Kazuhiko Hoshino
1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表
作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞
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