成人式にとうとう花魁姿が登場した。
本人は華やかなコスプレとドヤ顔だったらしいが、ご列席のオジサン達は眼がテン。
花魁を前にしてなんと祝辞を述べたらいいか、混乱のてい著しかったと、伝えられる。
橋本大阪市長もかなりの野次にみまわれ、出て行けと怒鳴ったらしいが、あいも変わらずの新成人の振る舞いにますます教育の重要性に目覚めたことだろう。
1980年代バブルのまえに、デザイナーズ着物と称する不思議な着物が流行ったことがある。コシノ・ジュンコやらやまもと寛斎などが、着物のデザイナーとして登場したのだが、このときのデモンストレーションが恐ろしかった。モデルたちの着付けがお女郎風だったのだ。デザイナーのアイディアなのか、着付スタツフがそうしたのかわからなかったが、さらに驚いたのはマスコミが新しいキモノとして報じたことだった。
江戸時代の遊里の文化には優れたものもあるが、職業上のアイコンである花魁のすがたを、新しいといって喜ぶメディアやデザイナーの感性にあきれ果てた。
新成人たちが、ドヤと言って着てみせる花魁姿と全く知能レベルは変わっていない。
いまのうちになんとかしないと、この国は際限なく壊れていく。
花魁登場の成人式
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プロフィール
星野 和彦
Kazuhiko Hoshino
1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表
作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞
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