艶やかで色っぽいお米たち

by

in

 うまい米の勢力図もだいぶ変わってきた。
 東北、北陸の米の優位はゆらぎ、さいきんでは九州、北海道が、うまい米の上位を占めている。
 コシヒカリ、あきたこまち、ササニシキをかたくなに信じている人もいるようだが、ここ数年のお米の食味ランキングでは、もはや昔のブランドで、23年産米では、さがびより(佐賀県産)、元気つくし(福岡県産)、ゆめぴりか(北海道産)が特Aの評価をえている。
 景気の低迷から自炊がふえ、高性能炊飯器の普及とともに、米の味にこだわりを持つ人々が増えたという現実もあるようだが、それでも圧倒的なパン食族の前に、お米は衰退の道を歩んでいる。
 そこに風穴を開けようと立ち上がったのが、京都の米屋の息子兄弟。兄は米の選別をし、弟は米料亭を開いた。四条通り八坂神社前の石段下に「京の米料亭・八代目儀兵衛」。
 炊きたてのご飯が甘い、をキャッチフレーズにずらりと並んだ土鍋の炊飯釜で米を炊く。炊き上がったつやつやのご飯に好みのオカズで食事を供する。まさににほんの食卓がそこにある。
 それにもまして凄いのは、究極の米ギフト、お米の通販だ。今までのお米の売り方は、産地本位のネーミングで、せいぜいふくろのデザインが違う位だったが、八代目儀兵衛はまつたく違う。
 艶やかで色っぽい。十二の日本の伝統色にそめわけられた小風呂敷に二合ずつ包まれて並んでいる。色彩の見事さは言うまでもなく、どきっとする美しさに、そうだ米にも衣裳と納得する。
 フォーマルギフトフェア大賞を受賞した「十二単シリーズ」「良縁米シリーズ」「祇園囃子シリーズ」さらに「献上米シリーズ」とお米のライフスタイルを見事に表現し、下世話な米のプレゼントの格が上がって、御殿風なお米の贈答を演出している。


コメント

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です


プロフィール

星野 和彦

Kazuhiko Hoshino

1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表

作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞


カテゴリー


月別アーカイブ