30年前、軽井沢の別荘を定住型に改装したおり、慶応卒の甥に連れて行かれたのが湾岸の大塚家具だった。
家具屋というのは、どこでも広い展示場をもっているのだが、この大塚家具の広さには驚いた。
端から端が見えないほどひろかった。
その上、来客一人一人にセールス・スタッフがつく。筆者のようなB型人間は、なんとも五月蠅く、一人にしてくれないかとも思った。自由に伸び伸びと商品がみたい。ついてこられると鬱陶しくてたまらない。
があれやこれやと家具の品定めをするうちに、このシステムも悪くないと感じるようになった。なにか質問すると10倍の答えが返ってくる。世界のカタログを連れて歩いているようなものだった。つまり高級ないいものを買いたいと思う客には、絶妙なおススメがある。便利なのだ。
安物でカッコヨクならニトリや、イケアがいいのだが、家具を自分で組み立てるなんてマッピラという人種には、大塚はなかなかの家具やだった。
長女の社長は聡明で理知的な人だから、高級志向の大塚は残し、カジュアルなラインを別に展開すればよかったとも思うが、何故お家騒動まで発展したのかわからない。
父と娘は恋仲と世にいわれるが、もつれるとどうにもならないのが恋人同士でもある。
大塚のお家騒動は、血のからんだどうにもならないお家騒動なのだ。
父か娘か、恋のから騒ぎ
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プロフィール
星野 和彦
Kazuhiko Hoshino
1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表
作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞
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