炊き立てツヤツヤ、銀シャリ御膳。

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 「京の米料亭・八代目儀兵衛」米屋の息子兄弟が力を合わせて始めたカジュアルな御飯屋だ。祇園八坂神社石段下斜め前の表通りにある。
 炊き立てツヤツヤ、銀シャリ御飯…いつご来店でも炊き立ての銀シャリをお出しします。御飯好き米好きの人間にはたまらない魅力百パーセントの店なのだ。羽目殺しの大きなガラス越しに土鍋炊飯釜がずらりと並んで一日中御飯を炊いている。何処かで見た風景と思ったら、そうだバルセロナのパエリア・レストランだった。美味い米の炊き上がった香りが甘く表まで流れて思わず店内に吸い込まれる。
 銀シャリ御膳には、本日の焼き魚と銀シャリ御膳/鯛のあら炊きと銀シャリ御膳/本日のお造りと銀シャリ御膳/厳選紅鮭と銀シャリ御膳/うなぎ一本焼き銀シャリ御膳 とある。さてと迷ってふと隣のギャルをみると、肉と銀シャリ、もう一度メニューに眼をもどすと、若者向きにちゃんと肉のメニューもあった。京もち豚肩ロースの照り焼き/京赤地鶏柚子胡椒せせり焼き/京和牛フィレ肉ステーキ御膳、出町柳の白味噌汁と千枚漬赤カブの漬物、おじゃこ昆布が添えられてなによりなのは、銀シャリのおかわり自由、ふっくら銀シャリ仕上げの美味いこと…つや、透明感のある白さ、香り、歯触り、噛みしめたときの粘り、甘さ、さすが五つ星お米マイスターによる厳選吟味のお米だけのことはある。祇園料亭に供されている翁霞という銘柄だという。
 この米料亭さらに凄いのはプライス・ゾーン、1480円を中心に上は1680円止まりという安さ、不況の今絶妙の値段設定、祇園で食事といえば先ず万の桁は常識なのだが、この安さは観光客から舞妓さんまで浚っていく。お隣のお茶漬け屋さんも真っ青の奮闘ぶりである。


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プロフィール

星野 和彦

Kazuhiko Hoshino

1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表

作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞


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