激辛のクライマックスは虚空

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激辛のクライマックスは虚空
 空前の第三次激辛ブームが来ているそうだ。
 気候変動で猛暑、酷暑の到来があたりまえに成ったため、人間の防御本能が働いて激辛に殺到しているのかもしれない。カプサイシンが感じる辛みが、食欲を増進させ、新陳代謝を促進する効果があるので、暑さ対策として激辛に光があたってきたのだろう。
 第一次は1986年にきた七味唐辛子ブーム、第二次は2003年のハバネロ・ブーム、そしていま2016年はブート・ジョロジアなる最強辛み食品による究極の辛みブームだといわれている。
 おりから新宿歌舞伎町の大久保公園では「激辛グルメ祭り2016」が開かれている。8月25日から9月19日という長期なのでかなりの自信と伺えば、第一回は7万人、第二回が10万人、そして去年が14万人で、今年は20万人をめざしているという。
 汗だくになって、口から火を噴いて、涙がでても激辛こそいのちという激辛愛好家が集まっている。インド、タイ、韓国、中国四川、メキシコ、ベトナム、日本の激辛自慢の名店が待ち構えている。
赤い壺の名物「赤い壺しゃぶしゃぶ」、赤からの名物「赤から鍋」、赤ちり亭の「ハバネロ・チキン」、四川料理の知音食堂は「水煮魚」、蒙古タンメン中本の「黒鬼」、マジック・スパイスの「チキンカレー」、武蔵野うどん藤原、と激辛の顔見世興行である。
 情熱の赤は激辛の赤、真赤なとうがらしの色鮮やかな料理に好奇心も食欲も刺激されてみては如何。
 辛さの階段には、覚醒、瞑想、悶絶、涅槃、極楽、天空、虚空の七つのクラスがあり、そのほかにアクエリヤスがあるという、なかなかに宗教的かつ哲学的な激辛ワールドである。


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プロフィール

星野 和彦

Kazuhiko Hoshino

1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表

作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞


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