仕事はできるが、協調性のないヒロインが活躍する夏ドラマ…なかなかに穿ったコピーと感心した。高校野球からオリンピックに塗りこめられた民放テレビにおける夏の新しいドラマの現状である。
なんといっても印象的なのは「家売るオンナ」の北川景子、無表情、眼を開けたままのロボツト顔にはビックリした。上手いのか、下手なのか、まつたく判らない。演技から表情を省いたキャラクターは、脚本の大石静によるものか、演出の指示なのか、それとも北川の工夫か、画面からは推し量れないが、人間ロボットの現実味が増している今、こんな設定もありなのかと興味をそそられた。
事なかれ主義の旧時代課長仲村トオルの存在が、視聴者をホッとさせる。ブスのイモトはうるさい。
フジが鳴り物入りでスタートさせたのが、「営業部長 吉良奈津子」家政婦のミタで見せたかつての冷徹な魅力は、いまの松嶋菜々子にはない。産休明けの広告代理店の部長だというが、相変わらずの自己中心、唯我独尊のわがままヒロイン。視聴率も悪く、打ち切りの噂もでている。脚本の井上由美子は、橋田寿賀子化しつつある。
協調性のないヒロインの極め付けは「グラメ!総理の料理番」に於ける剛力彩芽、図体だけの存在感で演技力は全くない。役者というよりダンサーなのだ。すべてがパターン化していて、脳みそ不在のマニュアックなモデルでしかない。剛力はセクシー・アイドルとかぶっていることに、気がつかないのだろう。
演技力いらない夏ドラマ
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プロフィール
星野 和彦
Kazuhiko Hoshino
1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表
作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞
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