淡路恵子さんが亡くなって、以外な友人から好きな女優でした、という声をきく。
SKDで草笛光子さんとともにスリーパールスという歌劇のなかの大人のキャラクターを演じていたという点で、印象深い。少女歌劇と呼ばれていたメンバーの中で、可愛らしさより大人っぽさの魅力にあふれていたのが淡路恵子さんだった。
目鼻立ちのはっきりした素晴らしい肉体美に恵まれた女優といえば、ネオ・リアリズムのイタリア映画にとどめをさす。シルバーノ・マンガーノ、ソフィア・ローレン、ジーナ・ロプリジータ、みな圧倒的な存在感でスクリーンに輝いていた。
そうしたヨーロッパ系女優に共通した魅力をもっていたのが、彼女だった。歌劇の生徒であった時に、黒沢明の映画「野良犬」に抜擢され、マーク・ロブスン監督の「トコリの橋」に出演したこともあった。
フィリッピン人歌手ビンボー・ダナウと同棲し、彼の面倒をみていたのも彼女らしい生き方だった。
あの頃は、彼女にしろ越路吹雪にしろ大人の女に人気が集まっていたが、いつのまにかAKBだのモモイロだのと子供たちが中心になつてしまつたのは、何故か。
日本人全体を覆う幼児化現象といって、かたずけていいのだろうか。
淡路恵子・大人の女優
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プロフィール
星野 和彦
Kazuhiko Hoshino
1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表
作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞
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