いつの頃からか流行語大賞が流行語ではなくなった。
お笑いタレントの宣伝部になってしまったようだ。
「だっちゅうの」「なんでだろう」「グー」「そんなの関係ねぇ」そして「ワイルトだろぉ」いずれもテレビを舞台にしたお笑い芸人のキャッチではないか。
言葉と芸の区別がついていない。お笑い芸のマクラと流行語の区別がついていない。
「現代用語の基礎知識」という年鑑を持っていた自由国民社から、通信教育のユーキャンあたりに実権が移ったころから、選考の基準がだいぶ甘くなったような気がする。芸人の売り出し用に、言葉の品格を落とし、子供が面白がって反復するような、ゲビタ表現に飛びつくようになった。
そうすることで、テレビの露出が増えるからと言った代理店の入知恵ではないと信じたいが、取り上げられた事象そのものが、あまりにも低劣なので疑いたくもなる。
無駄太りの二の腕をジーンズのトップスから出した、スギチャんのたたずまいも決して褒められたものではなく、よく見かける芸人の貧乏衣裳そのものだ。
毎年末になると発表される、漢字能力検定協会の今年の漢字のほうがまだましかもしれない。清水寺の楼閣上で坊さんの揮毫で発表される今年の漢字の方が、演出的にはもっともらしい。
いちいちタレントの授賞式出演のオーケーを取ってきめられる大賞は、流行語大賞というイベント興行といわれても否定できない。流行語は芸人の呪縛から開放されて、言葉本来の評価にもどるべきではないか。
流行語大賞がおかしい?
コメント
1件のフィードバック
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それでも、毎年すこしづつ、流行語大賞のメディア露出量が減っている感じがします。3年後には、スポンサー変更か?自然消滅する感じですね!
次にこのガラクタ大賞を引き取るのは何処か?
案外amazonあたりが、正しい方向にもって行きそうな気配がします。
プロフィール
星野 和彦
Kazuhiko Hoshino
1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表
作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞
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