注目の「水商売」

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 水商売と聴いて、夜の銀座や赤坂を思い出す人はもはやあの世のひとに属する。あの頃の水商売の人々には、ちゃんとしたルールがあり、わきまえがあった。わたしは水商売よという化粧をし、それなりの衣裳を身に着け、脂粉の風を撒き散らしながら往来を歩いていた。普通の人々の領域は決して犯さないし、自分たちの立場をわきまえていた。
 いまは全く区別がない。普通の人と同じなのだ。普通と水商売の垣根がなく、すべてが平等?で、女子大に通うお嬢様が、夜は水商売の女になる。
 だから毒は何処にでも潜んでいる。この井戸水はキレイな武蔵野湧水群からの水だからと、信じていても、セシウムが隠れていたり、エイズ菌が混ぜられていたり、うっかり呑めない。
 3.11震災以後急速に伸びたのが、個人向け「水商売」と聴いた。重い水のボトルをいくつも買い込んで帰宅するのは容易でない。いままでも宅配水サービスはあつたが、震災以後の需要に追いつけず、大手メーカーが眼をつけて参入してきた。昨日までは、ペットボトル水、宅配水、浄化器水、がきちんと住み分けられていたが、震災後いり乱れての戦国時代に突入した。
 後発のサントリーはクロネコヤマトと提携し、さらにサーバーを東芝に作らせて一気に水商売市場を席巻しようと企んでいる。原発をつくったメーカーが、その事故で呑めなくなった水のサーバーを造って商売にする。銀座の水商売真っ青のマッチポンプである。
 一生の楽しきころの夏の水…洪水や大津波では飲み水にならない。 


コメント

1件のフィードバック

  1. いい話ですね!
    軽井沢の天然水も一口のせてもらいたい!
    と言いたいところですが、天然水そのまんまの販売は、厳密には禁止されてるとか!?
    ガスウォーター以外はなんらかの防腐剤をいれるのが義務とか、そうでなければとっくに、軽井沢のホームセンターで、水タンクに入った天然水を売り出しているはずですから。
    今は、光触媒で除菌してれるポリタンクも安価で買えるので、ベランダなり、押し入れに2~3日分ためておけばいいと思うのですが!?

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プロフィール

星野 和彦

Kazuhiko Hoshino

1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表

作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞


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