最近の森光子を見て、あぶないと感じた人は少なからずいることだろう。この秋から再再再…登場する「放浪記」に無事主演を演じられるだろうか。すでにデングリガエシは封印しているものの、台詞の間やテンポを維持しつづけるには、役者としての限界を迎えている。名優の晩年に鈴をつけるのは、本当に難しい。プロデューサーといえども、なかなかに言い出せない。まして東宝の看板レパートリーとあれば、尚更のこと。そこで次の役者をキャスティングしておかねばならない。ブロードウェーイなら、アンダースタディとしておおやけにできるが、日本にはそのシステムはなく、無礼だの失礼だのといってその時を待つしかない。 実力派の十朱幸代あたりなら適役だが、そうもいかなければ若返って黒木瞳、松たか子、竹内結子あたりまでキャスティングの幅をひろげねばなるまい。健康で無事つとまればなによりだが、平時に乱を忘れずの例え、東宝の製作能力を期待し、ハラハラと森光子のカロリーをみつめていこう。
プロフィール
星野 和彦
Kazuhiko Hoshino
1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日（旧NETテレビ）制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表
作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞
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