と題したが、スター自身ではなく、スターを取り巻く近親者に自殺が多いという話だ。娘や息子が突如スターになった時、単純にひたすら嬉しい親はシアワセだが、少しでも良識のある近親者たちはマスコミの嵐のなかでどのように身を処したら良いか悩んで当然だろう。ましてや事業のいきづまり、プータローの兄弟、自身の離婚問題などかかえていれば、ノイローゼになって当たり前かもしれない。
魔性の女と週刊誌に書かれたことを苦に、母親が自殺してしまった斉藤慶子、森進一の母親も息子のスキャンダルを気にしてガス自殺をとげている。安室奈美恵の母親は再婚相手の弟に惨殺され、その弟もまた裏山で農薬自殺をした。新婚間もない瑛太と木村カエラの父親も、ぶらさがり健康器で首をくくった。食堂の経営不如意がもうここまでと、息子夫婦の援助にも縋れずに自らを始末したのだろう。都はるみの長年のパートナーであり、マネージャーであった中村一好も自宅で首吊り自殺をしている。都はるみのプロジュースにいきずまった結果だと誰の眼にも映った。元モーニング娘の後藤真希の場合、母親は自宅の三階から身を投げて自殺した。ゴマキの弟の強盗容疑やら、経営していた居酒屋の不振、母としての選択肢は外になかったのか。清純な雰囲気で人気のあった乙葉の父も、家電メーカーを退職したのち再就職先が決まらず、北アルプスの向こうで自殺をとげた。暴れん坊将軍松平健の再婚相手、友里子さんもまた四歳の子供を置いて、首吊り自殺をしてしまった。
川端康成、三島由紀夫、有島武郎、芥川龍之介…文学者達の自殺は、みなそれぞれの人生観、世界観に寄ってたった自死なので、ある意味作品の集大成ともいえるが、有名スターを取り巻く家族の非業の死は、なんともやり切れない浮世のあわれを感じる。
有名スターと自殺の関係。
コメント
1件のフィードバック
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いきずまった ではなく、いきづまった ですよ。
漢字でかけば 行き詰まった なんだから
プロフィール
星野 和彦
Kazuhiko Hoshino
1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表
作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞
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