「アッ、1500円になりました。」という声に押されて藤の里にいってきた。毎朝7時にその日の入園料が決定される。つまり花の咲き具合によって料金が設定されるという大変に合理的だが、すこし寂しい感もある「足利フラワーパーク」である。普段500円のところ1500円とあれば、それは見事な藤の花園だった。まず天然記念物の大藤が迎えてくれる。幻想的な藤色そのものだ。ひときは彩度の濃いのは八重黒竜の棚、世界でも珍しい香りの濃い藤の花房。そして房のながさ180センチに達しようとする野田の大長藤、1000平方メートルあまりに広がった見事な藤である。それらをつないでいるのが、白藤のトンネル、きばな藤のトンネル、白藤の滝、紫藤のスクリーンと藤を満喫した。藤娘になったつもりのポーズで写目しているオバサンもいて、お土産は「藤まんじゅう」。福島の花見山と同じく、個人の経営ときいて二度ビックリであった。日本最古の学校足利学校や堀込源太の八木節など、おおくの文化資源をもつ足利だが、このフラワーパークに勝てる目玉は無いという。行政はどこにいってもこうした自然に眼を向けていない。
プロフィール
星野 和彦
Kazuhiko Hoshino
1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表
作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞
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