日本風マルシェの行方

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 「マルシェ・ジャポン・プロジェクト」農林水産省立案になる大都市での産直支援プログラムだ。欧米ではすでに生活の一部になっている青空市「マルシェ」が、来年から日本の町のあちこちに登場するという触れ込みである。すでに台場、青山、中之島公園、大通り公園など全国6都道府県で毎週末、仮設テントで営業中。商業施設や高層マンションのデベロッパーが、眼をつけ活性化のために参入をはかっている。民間11社を助成とあるが、産直マルシェでは生産者に直接助成しなければ、意味がない。ショツピング・センターや大型商業施設ではキラー・コンテンツになりつつあるといわれるが、流通業者の営業ツールとして利用され一時の流行りものになるだけだ。
 モンマルトルのルピックの坂道に足を運び、夕餉の団欒のために求める食材にはアビニヨンの村のお百姓さんの笑顔がついてきた。マルシェのよこでは恋人同士が何時までも口吻をしていたし、子供達はスケートをにわか仕立てのテーブルにぶつけビア樽おばさんに叱られていた。マルシェには温かい暮らしがあって、ちいさな幸せも売っていた。


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プロフィール

星野 和彦

Kazuhiko Hoshino

1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表

作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞


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