日本の文具に乾杯。

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お中元お歳暮の習慣のない海外で、ただひとつ認められているのが、文房具ステーショナリーの贈答だ。仕事上お世話になった方、便宜を図って下さった方に対し、ステーショナリー・グッズで感謝の証しとする。そこでモンブランのやたらに高い万年筆や、マーククロスのペン立て、ペーパーカッター、デスクマットなどが、待機している。
 呼ばれて海外に行くとき、適当なお土産探しに苦労する。食べ物は好き嫌いがあるし、腐っても困る。ましてや税関でひっかかったら眼もあてられない。そんな時威力を発揮するのが、日本の文房具、日本のステーショナリーは世界一かもしれない。
 この夏、ペンテルVICUNAのボールペンに「消」という字のカドケシを添え、さらに東京メトロ10000系のぜむくりっぷを添え、55slimの赤青ペンケースに入れてパリの友人に持って行った処歓喜雀躍、喜びようは尋常でなかった。VICUNAのペン軸の微妙なライン、デザインのモダンさ、軸色の品格ある色調、そしてなによりもこんなに書き味のスムーズなボールペンははじめてだと大いに喜ばれた。
 マイブーム、今年の文具ベストワンは、事務所の高橋さんがかってきてくれた朱色のキャンパス地様のケース。左右は縫いこんで袋状になっているのだが、天地両方にチャックが付いている。サイズはA4とやや大きめだが、二つに畳んでA5版にもなるという優れもの、わざわざハードなケースにファイルするまでもない作業途中のメモやら、ちょっとした切り抜きなどを放り込み、随時取り出して整理するのに絶好の布ケースなのだ。A4からA5に畳んだとき反面四隅にマジック・テープがついていてしっかりと方形を確保しているという処もすごい。そしてなにより素晴らしいのはこのケースを百円ショップで見つけたという処だ。この赤い布ケースとは長い付き合いになりそうだ。


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プロフィール

星野 和彦

Kazuhiko Hoshino

1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表

作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞


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