文化庁の国語世論調査が発表された。
巷に氾濫する短縮感嘆詞にたいする一般人の認識を調査したもので、言葉文化の堕落を追認しただけのなさけないレポートだ。
文化庁というからには、すこしでも日本の文化振興の方向にレポートはまとめられているのかと思っていたが、そんな意識はつめの垢ほどもない。いつからお役所は統計調査会社になったのか、統計屋に堕したのか、統計を丸投げして発表するだけなら、文化庁はいらない。
「サムッ」寒いの形容詞は江戸時代の小説の一種滑稽本などにも記述があり、かなり昔からつかわれていたと考えられ、間違った使い方ではない。というのが文化庁の見解だ。この論法に従うと、「ヤバッ」という形容詞は平成時代の漫画などに多々使用され、あらゆる状況に登場していることから、間違った使い方ではない。予想しない時、びつくりした時、タイプの時、困った時、快感に襲われた時、すべてをヤバッと表現するのは、とても正しい使い方である。という風になる。
「ミジカッ」短い「ナガッ」長い「ウルサッ」五月蝿い…これらも文化庁は、「耳に残りやすい上、直感的に使えるため急速にひろまった」という見解なのだ。
文化庁のしごとは、すこしでも文化の向上に資することで、堕落したサブカルチャーの追認作業ではない。統計調査をすることで行政の仕事をしているような気になってくれては庶民は助からない。
お役所言葉にしても、カタッというのが一般人の印象だし、ある時期やたらカタカナ語がふえて植民地風になつたり、またカタツの印象に戻ったりしてなかなかさだまらない。「検討します」はナニモヤラナイという意味だということを小学生までが理解しているようでは絶望的な国語事情である。
文化庁ってなに?
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プロフィール
星野 和彦
Kazuhiko Hoshino
1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表
作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞
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