抹茶につづき ほうじ茶おまえもか

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 抹茶がこれほど売れるとは思ってもみなかった。
 三畳台目の小間で厳粛にいただくのがもっとも豊潤な抹茶かと誤解していたが、実は原宿のテラスで苺の下敷きになった抹茶アイスのほうが、はるかに気楽で美味いことに気が付いた。
 抹茶チョコ、抹茶大福、抹茶最中、抹茶せんべい、あらゆる場所に抹茶は入りこみ、健康にいいとか、解毒作用があるとか、その効用とともに一気に市場を創りだした。
 茶道の抹茶からスイーツの抹茶に、抹茶の世界が一気にひろがった。
 表千家、裏千家各お家元お好みの抹茶は、何時かアルマーニお好みのお抹茶、ピエール・マルコニーニお好みのお抹茶に変わっていくかもしれない。セブンイレブン好みとか、ローソン好みとか、やっぱりファミマの抹茶味にはかなわないと、世評に抹茶が登場するようになると、スーパーのスパイス棚の彩りもだいぶ変わることだろう。コリアンダー、ターメリックの隣にはワサビ、マッチャが並ぶようになる。
 このところほうじ茶がじりじりと人気を伸ばしているとの噂をきいた。
 ほうじ茶は日本人の食卓にとっては、食中茶として口中の残り味を流し、次に訪れる微妙な食味を十二分に味あわせてくれる存在だった。決して主役にはならないが、脇役としてこの上なく貴重な存在が、ほうじ茶なのだ。
 ほうじ茶は柳桜園に限る、いや一保堂だと、その世界なりの競い合いはあったが、このところ消臭作用とか、デトックスに効くとかの健康志向に乗って、市場に登場してきた。
 この先、どのような形で市場に棲みつくか楽しみな素材である。


コメント

1件のフィードバック

  1. ほうじ茶
    プリンとかアイスとか食べてます。
    ケーキのスポンジとかクリームとかも!
    紅茶も生地に練りこんであったり
    チョコにも一味が入っていたりコショウが入っていたり
    何でも混ぜ混ぜですね
    美味しいから良いですけど
    好みのものを見つけても直ぐに消滅してしまったりで悲しいです。
    効能とかも本当の本当の本当なのか心配になります
    売るためには皆なんでもするから!
    後でうそがわかるとがっかりです。

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プロフィール

星野 和彦

Kazuhiko Hoshino

1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表

作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞


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