戦争のかたちが全く変ってしまった。
前世紀的な国家間における武力戦争は、広島・長崎への原爆投下で終わったのかもしれない。
アフガニスタンやイラクにおいて、米軍と多国籍軍によってあれほど軍事力を投入したにもかかわらず、世界の安心・安全には一向に寄与していない。
欧米先進国においては、ますますテロの脅威がまし、対話と圧力をくりかえし唱え続ける日本の空には、北朝鮮のミサイル乃至ICBMが飛び交っている。
戦争学者クレフェルトによると、国民、政府、軍隊がひとつになった近代の三位一体の戦争とは異なる「非三位一体戦争」であると論じている。
イギリス軍人のルパート・スミスは、国家間ではなく人と人のあいだで起こる争いがもとなので「人間戦争」であると書いている。
ハード面からは「サイバー戦争」と呼び、最終兵器の認識で「核最終戦争」と呼ぶ人もいる。いずれにしても「新しい戦争」時代に突入したのは確かで、その表裏をみれば「多様化戦争」と呼んで間違いない。
まず多様化戦争においては、戦闘員と非戦闘員の区別が困難なことだ。最近ではトラックの運転手が突如自爆テロの戦闘員と変わった。ウクライナ紛争ではロシアは正規軍をいっさい使わず、非正規の民兵により勝利を手にした。尖閣諸島においても、中国は圧倒的な数の漁船に、漁民のみならず民兵をのせて連日押し寄せている。 政府はこれに対し除去手段を講じて排除することができず、放水だけが唯一の防衛となっている。
こうした新しい戦争形態に対応する法整備を早急に進めないと取り返しのつかないことになる。
核配備など夢のまた夢であれば、徹底したサイバー国家を作るしか方法はない。国土を十重二重のサイバーで包み、あらゆる核兵器も即座にサイバー破壊をする「超超高度なサイバー国家」を作るしか国民、国土の安全は保たれない。
戦争のかたちが変わった
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プロフィール
星野 和彦
Kazuhiko Hoshino
1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表
作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞
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