愛されるゲリラ達「ゲリラ・ガーデニング」

　いまイギリスで流行っているもの……
　それは愛されるゲリラ活動、「ゲリラ・ガーデニング」だそうだ。
　公共の公園であっても人の都合、予算の都合で荒れ放題、こうした公園をめがけてシードボム(植物の種子を集めて丸い爆弾にしたもの)を投げ込む、忘れた頃その種子が育って花が咲くという趣向だ。
　公共の公園に勝手に植物を植えることは禁止されていて、通常不可能な行動なのだが、荒れ放題の公立公園にたいするゲリラ活動として近隣の人々からも歓迎されている。
　シードボムはその組合わせによって、華やかな風景を作り出すこともあるし、場合によっては地味な景色になることもある。
　ゲリラ達は現場の環境をよく観察したのちに、慎重に種子を集め丸めて爆弾を作る。いくつもの爆弾を作ったのち、人のいない時間を狙って出撃する。いちいち土を掘って埋めるようなことはせず、湿気をふくんだ土とともに丸めた爆弾を投入することにより、爆弾は根付き半年、一年後には花を咲かす。あの荒れた公園に生命が再生する。
　何食わぬ顔をして攻撃地を訪問、ゆっくりと成果をたしかめ、コーラを飲むのが至福の喜び、ゲリラの喜びだそうだ。
攻撃地点は公園にかぎらない。商店の外に放置されたプランター、街路樹のまわりの小さな土にローズマリーの攻撃を仕掛ける場合もある。

　非暴力の直接行動ではあるが、きわめて政治的な園芸活動であり、都市における新しい生産的なゲリラ活動でもある。
　さしあたり軽井沢などは、道にたいする意識が低く、醜い花やら子供相手の変なオブジェがメイン通りに立ちはだかっている。
　新しい道の風景を作り出すためには、勇気あるゲリラ・ガーデニングが期待される。