つい最近発表された流行語大賞だが、もはや話題にもならなくなっている。「アラフォー」といったところで、だれも流行語だとは思っていない。40代のオバサン相手に商売を仕掛けようという魂胆がみえみえのマーケティング用語だと云う程度の認識だ。流行語というならば、そこに言葉としての魅力、新鮮さ、楽しさがあって当然だろう。
「グー」にいたっては悲しくなる。おじさんたちの駄洒落以下。センスも切れ味もナッシングーなのだ。盛りを過ぎた芸人が無理やりカメラ
目線で演じる「グー」のわざとい芝居は、見せられてやりきれない。笑えない。お願いだからなにもしないで座っていてくれ、といいたくなる。「言葉は文化である」ということは疑いもないことなのだが、近年の流行語大賞をみていると、カロリーはなし、批評精神はなし、言葉から文化がどんどん剥げ落ちて、意味もなくさ迷っている渋谷の「金髪豚娘達」のようである。「あなたとは違うんです。私には自分が見えるんです」といつて受賞辞退した無責任首相のほうが、まともに見えてしまうとは、まったく変な世の中になつたものだ。
息切れした流行語大賞
コメント
1件のフィードバック
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そう、おっしゃる通りです。「現代用語の基礎知識」を出していた自由國民社が主催していたときはまだ少しはジャーナリスティックな「流行語」でしたね。今は、通信教養講座など通販のユーキャンの主催でカラーがかわったのでしょうか。
「グー」はなぜか、うら寂しい響きがあります。
プロフィール
星野 和彦
Kazuhiko Hoshino
1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表
作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞
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