恋をすると言葉が生まれる。

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 といっても高邁な文学のはなしではない。若者たちの流行語だ。近頃ではファッションと同じくシーズンごとに新語が生まれ、シーズンごとに新語が死んでいく。言葉との付き合い方がそんなに軽くていい筈はないのだが、もはや末期高齢者には抵抗のしようがない。
 「伯父さん、色落ちしないでよ。」といわれ、なに?っと思ったら、色気がなくなって年寄臭くなることのようだ。「大丈夫、毎日秒殺されてるから。」「へぇー、メル告してるんだ。」「そう、もっぱらカレ専の彼女と友ップルしてるよ。」「あたしもひかる現児さがしてピンアポしなきゃー」なんだかよくわからないが、横文字をくずして、つめて、はずんで、同世代のアリバイ証明のごとくに乱用するのがいいらしい。
「さあ、与謝野ってるから美容院行ってこよっーと」与謝野晶子のみだれ髪も、美しい日本語ならぬ乱れ言葉の動詞になっている。笑顔で応じると「ニカニカしないで。」といわれ、すこし親切心をだすと「ハニャーンってなっちゃう。」まさに伯父さんたちには理解不能で、タミフルになってしまうのだ。さぁ平和のために消しアドに励まねば…。


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プロフィール

星野 和彦

Kazuhiko Hoshino

1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表

作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞


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