政治家は権力欲で固まっている、というのは常識である。
いやわたくしには権力欲はありません、という政治家がいたらお目にかかりたい。
その強烈な権力欲を、いかにして大衆に転嫁できるかで、政治家の評価はきまる。
「都民ファースト」という表現は、なかなかに見事ないいかたである。
都民のなかには味噌も糞もまじっているが、とりあえず中身は問わない、都民のみなさまこそが一番という三波春夫の世界観である。皆さんひとりひとりが批評家ではなく、実際のプレーヤーとしてご参加くださいというアプローチだ。そういわれて悪い気のする都民はまずいないだろう。
小池百合子劇場は、豊洲市場問題でほら貝をならし、オリンピックでジャブを飛ばし、みずからの給与を半減していよいよ第三幕をむかえた。
少々とうは立っているが、政界のジャンヌダルクとしていまのところ無事戦っている。
東京大改革をめざす政経塾、希望の塾をたちあげた。4800人の希望者が押寄せたというから壮観である。いまはやりの自己啓発の会よろしく日本全国津々浦々から志の高い老若男女が集まった。
外形的には日本シリーズのチケット買いや、優勝セールの行列買いとそんなに変わらない。
6回分の講義で50000円、女性割引40000円、さらに学割もあって30000円、これで都政改革の担い手になれ、都政のかかえる問題点から、地方自治制度、財政、選挙制度まで一通りのお勉強ができるのだから、けっこうな塾である。
今流行っているブドウ狩りツアーとか夜の特別料亭コースとそんなに変わらない気がしないでもないが、来年3月までの6回コースでとりあえず終了といのだから、即席栽培の域をでない。
陣笠都議の即席栽培と考えればそれでよしとするか、時間をかけて悪玉をそだてるよりはましかもしれない。
お笑い芸人のエド・はるみ(52)がいるとか、仮面女子の桜雲もいるとか。政治はますますアマチュア化してバカバカしくならなければいいがと懸念している。
小池即席栽培政治塾
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プロフィール
星野 和彦
Kazuhiko Hoshino
1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表
作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞
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