広尾の同じマンションに住み、少女時代からの彼女をなんとなく見守ってきたせいか、一方的に巡り合わせの関心がある。日本人三人目の銀熊賞ときき、「素敵な女優になったなあ」と御祝いのモノローグ゜。
もっと美形に生まれたかった、ペネロペ・クルスみたいな顔だったらもっともてたろうに。でも今ではこの中途半端な顔でよかった。ちょっと頑張れば上にもいけるし、すこし落とせば下にもいける。この顔のおかげで幅広い役が出来るんです。と天晴れな自己分析。「また寺島が脱いだ」と騒がれても、くだらない、隠しているほうがよほど恥ずかしい。中途半端なラブシーンなら最初からやるな。いやらしいと思っていることがいやらしい。台詞は自分の口から出てくるし、セックスシーンを演じるのも、拒食症になるのもみんな自分の体。人間をすべて人前に晒す浅はかさがあって、同時にそんな自分を見て欲しいと願うエゴイストである。女優は変態でなければ出来ません。出会うべき人と出会って、正しい場所に導いてもらっているのが私の人生だと最近思います。ここには頭脳明晰にして、肝の坐った本物の女優がいる。
寺島しのぶという女優
コメント
プロフィール
星野 和彦
Kazuhiko Hoshino
1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表
作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞
コメントを残す