子供は完成品ではない。子供は半製品なのだ。
肉体的にも、精神的にも、ましてや能力的にも。だからより素晴らしい大人に成長することを願って、子供を外形的に、大人が利用することを厳しく規制してきた。
戦後30年ばかり、厚生省の中央福祉審議会が中心となり、子供達の芸能活動を厳しく律してきた。学校第一で、授業時間内の芸能活動は一切禁止というのが当たり前だった。
それが今「カワイイ」の価値観と、歯止めの効かない功利主義のお蔭で、子供の芸能活動が当たり前になつた。政治がバカなのか、親がバカなのか、子供達は商業メディアの餌食になっている。一方で子供の人権を守ると言いながら、全く守られていないのが子供の人権ともいえる。
子供たちの脳みそは半製品なので、汚れきった大人の海でとんでもない勘違いをする。
某子役は態度が天狗で、手が付けられないそうだ。スタッフが気軽に「Mちゃん」と呼んだら、ニラミつけられる。雑誌も子役特集などで、ほかの子役と一緒にしたら絶対出ない。高畑淳子が子供だと思って、手を繋ごうとしたら、嫌な表情を浮かべて手を振り払ったという話は有名だ。CM出演料も厖大で年間のギャラは億をくだらない、親はマネージャー気取り、かっての宮沢リエのリエママを超えているという嘘のような本当の話。
急速に人気の出てきた本田望結とは絶対に共演拒否、かっての聖子と明菜、篠原涼子と仲間由紀恵、宮崎あおいと堀北真希、の如くにプロデューサーはキャスティングにあたまを悩ます。
子役を抱えたジョビィ・キッズなる芸能事務所は、全国10か所に養成所を作り、毎月オーディションを繰り返して利益を上げる。子役の笑顔はコマーシャルのため、作品を作ることではなくメディアに露出してお金を稼ぐこと。
かくてオバカな子供がメディアを闊歩し、オバカな母親が追っかけていく。
子役タレントの大馬鹿振り
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プロフィール
星野 和彦
Kazuhiko Hoshino
1931年 9月17日 東京に生れる。
1954年 成蹊大学政治経済学部・芸術社会学コース 卒業。
1955年 旧帝国劇場文芸部 所属。
1958年 テレビ朝日(旧NETテレビ)制作局演出部 入社。
1960年 フランス・パリ・ムーランルージュより演出として招聘される。1年間滞仏。
1961年 テレビ朝日復職。
1968年 テレビ朝日制作局チーフ・ディレクター、企画室ブロデューサー を最後に退社。
星野演出事務所 設立。代表取締役 就任。
1973年 クリスチャン・ディオール取締役 就任。
1975年 SKD松竹歌劇団 演出就任。
1977年 東京フィルム・コーポレーション 取締役。
1980年 リード・ファッション・ハウス 代表取締役 就任。
1990年 軽井沢に居を移し現在までフリーの 演出家、プロデューサーとして、また執筆活動に従事する。
現在
日本映像学会 民族芸術学会 所属
テレビ朝日 社友
星野演出事務所代表
作品受賞歴
1953年 芥川竜之介作「仙人」第二回世界国際演劇月 文部大臣賞
1967年 連作みちのくがたり「津軽山唄やまがなし」芸術祭奨励賞
1970年 連作みちのくがたり「鹿吠えは谷にこだまする」芸術祭優秀賞
1971年 ミュージカル「白い川」芸術祭文部大臣賞
1992年 NDK日本ファッション文化賞
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